2015年02月07日

ミラステ レポート

2014年9月に行われた舞台版「炎の蜃気楼 夜啼鳥ブルース」の観劇レポートをアップします。
このレポは、10月のSPARKの際に配布したもので、その再録+加筆になります。

もうすぐDVDが発売ですね。楽しみです!

この記事は舞台版「炎の蜃気楼 昭和編」の観劇レポートです。ネタばれにご注意ください

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2014年9月に行われた「炎の蜃気楼 昭和編 舞台版」の感想、レポートになります。興奮しすぎて記憶があいまいなところもあるので、順番とか台詞とか違うところも多いと思います。そのあたり差し引いてお読みいただければ幸いです。


「炎の蜃気楼」本編完結から10年。まさか舞台版を見られるとは思っていませんでした。
ものすごく正直な話、本編が完結して少しずつ確実に人が減っていくのを見てきていたので、昭和編の開始と同様に、原作で動きがあるというだけで本当にありがたい気持ちでした(ミラージュを読みたい、感じたいという欲求と同じくらい、私にとってはミラージュで人と繋がっていることが重要なので)。

なので、すごく乱暴な言い方ですが、芝居の出来がどうかは気にしていませんでした。
もちろん、いいに越したことはないですが、やっていただけるだけありがたい。
ミラージュの世界観というか、「換生」という概念をどうやって説明するんだろう、難しいだろうな、ということは思っていましたが、単純に楽しみでした。

なので、舞台版で自分にわっと襲いかかってきた感動は、想定外という他ありません。
私が見たのは、9月22日夜と23日の2回。初日の幕が上がって以降、多くの方がご存じのとおり大反響でTwitterでもその熱を感じていました。

冒頭からびっくりするよ、という前情報があり、カッコいい演出とかかな?と思っていたら、まさかの邂逅編からのスタート。景虎様の切腹のシーンでの無念、初めての換生のとまどいがガツンと来ました。

冒頭シーンの締めは、直江の「景虎様、とお呼びいたしまする」。ゆっくりとはっきりと、しかし感情はこもっていない直江の言葉、そして目をつむり空を仰ぐ景虎様。「ああ、ここから彼らの戦いの物語が始まったのだ」と改めて夜叉衆の運命の重さを感じました。

暗転し、プロジェクションマッピングに浮かぶ「炎の蜃気楼」。キャラクターの名前とともに役者さんが昭和編の衣装で登場されるシーンは、各キャラクターの特徴がわかりやすく、しかもそれぞれのポーズが超かっこいい。

中でも、ぐっときたのがプロジェクションマッピングで換生以降、昭和までの元号が次々に表示されるところ。400年、とミラージュの中で繰り返し出てくる歳月で私も理解していたつもりだったのですが、改めてこんなに長い間、さまざまな時代の中で夜叉衆は生きてきたのだという重さがずっしりきて、もう涙が出そうに…(早)。

舞台の本編が始まってからの分は、以下、登場人物ごとにまとめました。


加瀬賢三
一言で表すなら、色気。レガ―ロのシーンで尚紀と二人きりになると、すっと眼鏡を外す加瀬さん。眼鏡を外しただけなのに、まとう雰囲気がいきなりあやうげな感じになって、ぞわわわわってしました。煙草を持つ手もエロス。やばい。アクションシーンも見ごたえあり、靖国神社のシーンで満身創痍の加瀬さんが力を振り絞って戦う姿に手に汗を握りました(実際に、私が見たのが最後の2回だったので、富田さん自身も相当ボロボロになっておられたのではないかと)。大人の余裕、その中に見え隠れする揺らぎを見て、高耶さんとは確実に違う“加瀬さん”を肌で感じました。あと、朽木への応対などを見て、やっぱり男の人にもてるな、そりゃそうだなって思いました(女も惚れるけども!)。

笠原尚紀
直江、なのに若い。昭和編原作でも感じる不思議なアンバランスさが荒牧さん演じる直江からも感じました。20歳をいくつか過ぎたばかりにしては大人びた仕草、酒の飲み方、しかしどこかやはり若者。美奈子の前で声を上げて笑うシーンはどきりとしました。そのときは何で驚いたのか分からなかったけれど、多分、原作 本編の橘義明がそうやって笑うイメージがなかったからなのではと。義明ではない、尚紀ということはこういうことなのだなと思いました。で、例の壁ドンシーンはどうなるのかと思っていたら、ある意味壁ドンより激しい椅子ドン。直江の激情にどきどきしました。

小杉マリー
マリーさんはもう登場から、ぎゃあああかわいいいいい!ってなってましたが、ほんっとに可愛すぎてもだえました。ヒールを脱ぎながら「どいてなさい、しんちゃん!」ってやるシーンがカッコ可愛くてすごい好きです。そしてその後のストッキングの下り。付き合ってないのに長年付き合っている風の加瀬さんとマリーちゃんのやりとりが原作でもすごく好きだったので、脚本に入れてくださって本当にありがとうございましたああああ!と心の中で叫んでいました。あと「私はしんちゃんといると楽しいんだよ!」のシーン。朽木じゃなくても、落ちる。落ちた(私が)。晴家の女子力の高さに完全にやられました。

佐々木由紀雄
色部さん、背が高い!! 2巻のイラストそのまんま過ぎでした。加瀬さんに「煙草は辞めたんだろうな」とにじりよるのがカッコいい。そして言われて静かに目を逸らす加瀬さん…。手洗い行って戻ってきて景虎様&直 江がふっと離れるのを見ての「そうかい、そうかい」がもう包容力。色部さんというと年嵩のイメージがあったので、こういう若い色部さんて新鮮でした。

坂口靖雄
勢い良くお辞儀しすぎて帽子が飛ぶとかテンプレすぎるのに、それがすっごい合ってる! 鱗を持ってレガ―ロへ行き、マリーさんに楽屋へ連れて行かれるときに、あたふたして「ぎゃあああ! 笠原先輩!」 って叫んでんのがかわゆくて、客席から笑い声が。なごむ。しかし彼は眼鏡外すとかなりの美青年と見ました。坂口愛が増しました!

執行社長
おじさん好きにはたまらん、もともと好きなキャラクターだったのですが、加瀬さんや朽木とのやりとりの中ににじみ出る包容力。そして原作になかったなぜかマティーニ押し設定や女のところへ行くときの「港」発言に、一気フォーリンラブ。舞台の次回作はぜひ2巻を! そしたら社長がいっぱい出てくる!

朽木慎二
技術的なことを言うと、セリフ回しがとてもきれいな役者さんだなと思いました。加瀬さんを慕っている感じとかもよかったけど、マリーちゃんが絡んだときの面白さ&可愛さといったら! さらに、加瀬&マリーのやりとりを見ての「見てねえよ!」がね、指先でつきつきしたくなる、構いたくなるキャラでした。


千秋楽、私は幸運にも最前列中央の席で観ることができました。実は最前列というのは少し不安があって。というのは、舞台用の芝居というのは広い空間で観た時にちょうどよくなるタイプのものなので、 近くで観ると荒が見えてきてしまうことが多く、ちょっと離れて見るくらいがいいなと実は思っていたのです。

ところが、始まってみるとそんな考えは吹き飛びました。一番近いときには役者さんまでの距離2mもないくらい、そんな距離なのに本当に演技が繊細で。表情一つ一つもすごくリアルでした。

レガ―ロのシーンで、メインでしゃべる人以外は、脇でしゃべっている風なのは手ぶり身ぶりだけだと思っていたのですが、実際は小声でしゃべっていました。はっきりは聞こえないのですが、ところどころ聞きとれた感じからすると、ちゃんとそのシーンにあったもの。脚本かアドリブかはわかりませんが、2列目でもう聞こえないかもしれない部分まで気を配られている、とうところに驚きました。

また、レガ―ロにいる朽木にかつての戦友が訪ねてくるシーン。男がバタリと倒れる時にも、役者さんが白目をぐるりと剥いてから倒れたり、倒れたあとの苦悶の表情もリアルで。演出の素晴らしさ、役者さんの演技力に本当に感動しまし た。テレビ画面でもっともっと近づいてよく観たい!とさえ思いました。


2時間ノンストップの舞台、怒号のような展開に一瞬たりとも目が離せず、気づいたら終わっていました。幕が下りて、役者さんが挨拶にもう一度出てきたときも、もはや原作のキャラクターと役者さんを同一視するくらい見た目のシンクロ率が高く、リアリティがあったので、どこまでが現実で非現実かがあいまいになる、そんな感じがしました。

千秋楽、舞台あいさつで富田さんが自身の声の状態が悪かったことについて述べられました。台詞量が多く、難易度の高い役で、まして座長である舞台で、ベストコンディションでなかったことにどれほど悔しい想いをされたことだろうと思います。私も初めて見た時に、あれ?と思いましたが、でも、そんなことが全く気にならなかったのは、全身全霊で上杉景虎、加瀬賢三を演じておられたからだと思いました。涙の膜で、瞳がきらきら輝いていたのが印象的でした。

そして千秋楽は桑原先生のお誕生日。何かあるかなと思っていましたが、みんなでハッピーバースデー を歌えたのが嬉しかったです。先生に直接、しかもたくさんの人とお祝いをする機会ってそうそうないので、貴重な体験をさせていただきました。

そしてそして、なんといってもオールスタンディングオべ―ション

私も10年ほど前までは幼少時から1〜2カ月に1回は芝居を見に行っていたりしていたのですが、バレエ、オペラなど西洋系で元々スタオべの習慣があるものは別にして、現代劇でスタオべは、私はおそらく初めての経験でした。スタオべはお客さんのたった一人の満足では成立しない奇跡、まして派手な感情表現が苦手な日本で、さらに現代劇で、それが起こったというのはすごいことだと思います。

さらにそこで終わらないのがミラジェンヌ。ふと気づくと前方の列の皆さんが後ろの方が見えるようにとしゃがんでいらっしゃるではありませんか! 私も慌ててしゃがみ、最前列だったのでほぼ正座に。後方列に気を使ったスタオべって、なんかおもしろいと思っていたら、舞台の上で役者さんも慌て&笑い。「え、え、立ってください」と動揺する富田さんの横で、マリー役の佃井さ んと荒牧さんがめっちゃ笑顔!

そしてその隙に「景虎様に平伏するチャンス!」とか言って平伏していた私のサイドの友人たち(笑)どんな状況下でもチャンスを無駄にしない先輩ミラジェンヌである友人たちを見て、私もミラジェンヌとしてまだまだだなあと猛省。会場内の皆さんの笑顔と万感の思いを込めた拍手で幕が下りました。


今回の舞台では、役者さんはもちろんのこと、原作を生かした上で舞台ならではの魅力を加味した脚本(是非、脚本もグッズで販売していただきたいと強く希望)、舞台装置、ライティング、衣裳、音楽(特にオープニングの音楽がカッコよかった! サントラがほしい)、細かいところまで気を配られた演出などなど、本当にすごい!!の一言につきました。

再演はもちろん次回作を本当に本当に願っています。まずは来年2月に届く予定のDVDを楽しみに!!!(Twitterとからめて同時再生会とかやりたいなと妄想中です)ここまでとレポートを読んでいただき、ありがとうございました!
posted by アヤ at 00:00| レポート