2018年09月18日

環結記念オンリーショップ限定特典お渡し会レポート

2018年9月8日開催
舞台『炎の蜃気楼』環結記念オンリーショップ限定特典お渡し会
@アニメイトAKIBAガールズステーション


9月5日に、お渡し会が開催されることが発表になりました。
特典とは、9月8日〜9月17日に開催される舞台『炎の蜃気楼』オンリーショップで、お買い上げ1000円ごとに、キャストさんの舞台写真がランダムで1枚ずつもらえる、というもの。

登壇者は、景虎役の富田翔さんと直江役の平牧仁さん。

当日、開店30分前までに並んだ人へ、ランダムに整理券が配られる旨がアニメイトから発表されていたので、9時半ギリギリに現地へ。その時点で、お店の前の歩道の道路側に二列で並んでて、列が伸びて隣の区画の道にはみ出しかけるくらい。

9時半少し過ぎたところで、入場用の整理券配られました。このとき列の前の方では、いま並んでる人の分はイベント参加券ある、とアナウンスがあったそう(希望者が多かった場合は、抽選になったのだと思う)。

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入場時間を10時00分、20分、40分と割り振られる。だいたい20人くらいずつだったかな。私は00分。開店数分前倒しで店内へ。

会場は6階だけど、直通はなくて、5階までエレベーターで行って、1階分階段で。同じ00分の中でも番号が割り振られてて、階段にその順番通りに並ぶ。

時間ちょうどに展示スペースへ案内される。6階の会場は、20人くらいでもゆったり見れるゆとりあり。棚に並んだグッズを手に取ったり、衣装や壁の舞台写真を見る。ボードは撮影可能でした。ボードは舞台『炎の蜃気楼 昭和編 散華行ブルース』で薔薇の祭壇のところに飾られていたもの。あの時は撮影はできなかったので、うれしい。先生のメッセージが胸に来る。

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舞台の時に買っていなかった扇子や、連れまわし過ぎてボロボロになった「散華行」のパンフレットなどを購入。
お会計は1階のみ。支払いの際にイベント参加券は必要か訪ねられ、ほしいというと券を渡してくれました。16:50集合、17:00開始だったので、一旦解散。お渡し会までの時間、富田さんと平牧さんに渡すお手紙を書くことに。

16:45頃にアニメイトへ戻ると、地下一階の会場を起点に、下から上に向かって非常階段に列が作られていました。最後尾に並ぼうとして上がっていくと7階くらいまでいき…。階段が暑くて、汗がぽたぽた落ちるほど。途中でアニメイトの方が各フロアへの非常扉を開けて、空調が入ってくるようにくれました。

並んでいたら、トライフルのスタッフの方から再び整理券が渡されました。
案内できるまで1時間はかかりそうだから、ここは暑いので、一旦解散してまた集合してほしいとのこと。
このとき私はイベントの開始自体が遅れることになったのかと思ってたけど、一人一人のお渡しに時間がかかるので、後半組を一旦解散させる、という配慮だったらしい。正直暑かったので助かりました。

また一時間後!と外に出たらフォロワーさんに会い、もうお渡し終わったと聞く。そこで開始が遅れたわけでなかったことを知る。しかも一人ずつちゃんと時間を取ってくださるとのこと。

ご本人たちに言うこと考えるものの、多分、ご本人たち目の前にしたら、どのみち全部飛ぶなと思って流れに身を任せるスタイルに。

一時間後、再び会場に戻り、二回目にもらった整理券の番号順に並ぶ。最初は地下への階段に並ぶ。

地下一階の入り口のBOXに書いてきた手紙を入れる。

会場に入り、衝立の手前で蛇腹状に並ぶ。一人一人衝立の向こうへ案内され、富田さん、平牧さん、辻さんと話しているのが聞こえてきて。
漏れ聞こえる単語だけで、とても楽しい。

自分の番。参加券とレシートをメイトのスタッフさんが、確認。特典の枚数(1000円ごとに1枚)を3人へ伝えます。

富田さんの吸い込まれそうな目と平牧さんのキラキラした目に出会い、直視できない。服は富田さんの黒と白に対し、平牧さんは上下迷彩でインナーは調伏Tシャツ!流石!

この日、私は友がアレンジしてくれた調伏Tシャツを着ていったので、それでまず盛り上がりました。富田さんは舞台から見て、Tシャツアレンジしてる人いるって気づいたそう(情報を照合した結果、富田さんが見掛けたのは、どうやらフォロワーさん)。よく見てらっしゃる!
富田さんが「Tシャツも喜んでるよ」と。

Tシャツでいきなり盛り上がったので、特典の枚数忘れ、スタッフさんに再度教えてもらいました。

富田さん、平牧さんが交互に特典の写真を、素敵な英語で数えていく。特典の種類は8種あってランダムだとちゃんとそろわないかも…と思っていたけど、「8枚あれば揃うようにしてます」と辻さんが。ご配慮ありがとうございます。最後の一枚は林さん。何故か林さん一番上にして渡される(皆さん、林さんの写真を一番上にされた模様w)。

辻さんが「何か言いたいことないですか?」と話向けてくださり、まずはミラステのお礼を伝える。思いはたくさんあったけど、うまく言葉になる気がしなかったし、堰を切ったら自分がやばそうだったので、気軽な感じの話題にしようと思い…

私「すごい、しょうもない質問していいですか?」
富「何?いいよ」←笑顔優しい。平牧さんもニコニコの笑顔。
私「犬派ですか?猫派ですか?」
富「犬派!」(即答)
平「犬派!」(即答)
2人の視線が辻さんへ
辻「ここで、犬って言ったらやばいでしょう。猫です」←辻さんは猫飼い。Twitterにもちょいちょい登場
私「辻さんのうちの猫ちゃん、かわいいです」
辻「ありがとうございます」
富「あの猫ね、ロボットだから(真顔)」
辻「え?」
富「あれ、フィクション、フィクション」←富田節w
辻「えー、そんなことってある?俺、毎回猫カフェ行って、うちの子のように写真撮ってんの?」
平牧さんがケラケラ笑ってて、仲いいなぁ!!

最後にみなさんの舞台に行く旨伝える。

私「(平牧さんへ)ワンマンライブ、行かせていただきます」
平「わあ!ありがとうございます」
私「(富田さん、辻さんへ)細胞、行きます」
富・辻「ありがとうございます」
私「(富田さんへ)それから、えっと…(なぜかタイトルが出てこない)」
富「ファミレス」
私「です!よろしくお願いします」
富「じゃあ、ファミレスで。あ、ファミレスでっていうとなんか日本語…w」←確かに

緊張でぺたぺたした手で申し訳なかったけど、握手していただいて(恐れ多くて、毎回握り返せない…)、特典の写真入れるビニールいただいて、お渡し会終了。

特典のお渡し会と聞いたときは、どんどん渡されていって終わりかなと思ってたんだけど、実際は一人一人、一、二分ほど3人とお話しする時間をいただけました。
最後から10人くらい?のとこに並んでた私が終わったのが19時頃。途中で休憩挟んでいたとしても、ずっと立ったまま笑顔で対応してくださって。

ミラージュもファンも、すごく大事にしていただいて、本当にありがたいなと思いました。何度だっていうけど、ミラージュを尊重し、大事に、真摯に向き合ってくれる方々に舞台を作っていただけたこと。それ自体が奇跡だし、感謝の気持ちでいっぱいです。

ちなみに、特典の写真は個包装されてなかったんで、富田さんと平牧さんの指紋付きでしたw
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2018年09月02日

環結記念 桑原水菜先生トークイベント

2018年9月2日開催
『炎の蜃気楼 昭和編』シリーズ&舞台『散華行ブルース』
―環結記念 桑原水菜先生トークイベント―
@アニメイト渋谷店


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【御注意】
・私の記憶違いのところも絶対あるので、薄眼で見てやってください。
・実際は、時間的に離れたところで出てきた話を、内容が似ていたため、まとめてしまったところがあります。
・話題は順不同です。
・間違いに気づいた場合、後日加筆修正します。


13:15前
アンケート用紙が配られる。
@ミラージュを読み始めた歳ときっかけ A舞台「散華行ブルース」の感想 B先生へのメッセージと質問を書く欄があり、並びながら記入する。

トークイベントのチケットを購入された方で、アニメイトの会員証を提示された方は、個人情報がわかっているので、事前に郵送されていたようです(私は会員証を持っておらず、チケット購入の際に特に個人情報求められなかったので、特になにもなし)

座席の抽選が始まり、座席番号が書かれたくじを引き、冷えたミルクティーの缶を渡される。
そのまま会場へ向かう途中、今度は焼き菓子を頂く(チョコかチーズを選ぶ)。

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イベントのスペースは、年末にサイン会を行ったペース。
そこにぎっちり並んだ椅子の数、30席。
渋谷店での抽選で当たった人が20人だったのは、数えて知っていたので、そうなると秋葉原の当選者は10人ということに。

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本来、座席抽選が始まる時間に、既に全員着席。
お手紙や差し入れについては、イベント始まる前にスタッフさんにお預けする。
アニメイトの方から、録音・録画をご遠慮いただきたい旨や、携帯電話の電源を切るか、音の出ない設定にしてくださいというお願いがある。

イベント開始まで30分以上時間があったので、各々、トイレに行ったり、写真撮影したりして過ごす(写真撮影は、イベント開始前と終了後であれば撮ってよい、ということが言われた)

開始までの間、スタッフの方と少し話をして、渋谷店としてはサイン会などはあるけれど、トークショーを開催することはほとんどなかったとのこと。今回のイベントは渋谷店としても挑戦だった。
ミルクティーの缶やお菓子は、リラックスして過ごしていただきたい、ということで先生と一緒のものをご用意させていただいたとのこと(話の文脈からすると、用意したのはお店側ということなのかな?)。


14時の数分前
再度、注意事項の案内があり、先生とコバルトの手賀編集長が下手より入場。

先生が向かって右(上手)、編集長が左(下手)に着席。

アニメイトの方の司会で、先生と編集長が自己紹介。
まずは先生から。
「原作者の…」と言いかけて、「作者の桑原水菜です」と言い直してご挨拶される。
ミラステの期間中は「原作者」でいらして、まだ千秋楽から時間が経ってないので、混乱されたご様子。

続いて、編集長から自己紹介がある。

この後は基本的に、編集長がモデレーター(相手役)となってトークが進む。

14時
トークイベント開始。
冒頭で、編集長からネタばれの関係で本編40巻のラストまで読んでない人やミラステを見てない人がいるか聞かれる。その場で挙手はなし(結局、イベント中に40巻のラストに関わる話は出なかった)

前半はミラステの話。

●最後の舞台が終わったことについて
まだぼーっとしている。言葉がまとまらない。仕事はもちろんしてて書いてるけれど。まだしばらく時間はかかる。10年くらい?と笑顔。

●初演「夜啼鳥ブルース」を振り返って
(編集長から、途中でゲネって初演当日の昼間にやることが多くて、その後、夕方、18時半とかそういう時間に始まることが多いという注釈が入る)

初演のとき、ゲネを見た後、担当Iさんと初日始まるまでの二時間、ファミレスみたいなところで話した。私たちは受け入れたけど、ファンの人たちがこれを受け入れられるか。そう考えるとすごく緊張した。緊張しすぎで、Iさんとしゃべってるんだけど、上滑りして会話が成立していなかった。役者さんやスタッフの皆さんはもちろんもっと緊張したと思う。でも彼らは準備とかいろいろある。私は何にもすることがなくて。あの時間は地獄だった。

(編集長から、初日、冒頭の初生景虎のシーンで、客席からすすり泣き声が聞こえてきたという話が出る)

二作目以降は、ゲネでこれくらいだから、本番ではこのくらいまでいくだろう、という目測が立つようになってきた。
だから第一作の時が一番緊張した。

●稽古を見て、役者の皆さんたちについて
音楽もない、衣装を着ていない、トレーナー?ジャージ?の姿なので、逆に生々しく感じるかも。
素のままの姿なのに、その役に見えてくるこのすごい。

(編集長から本番の直前まで、セリフ削ったり演出変えたり、どんどん変わっていく(出来上がっていく?)のが見えるというのを、見ていてどうですか?と言われて)
皆さん、表にはいい面しかおっしゃらないけど、実際はかなり泥臭い。主張と主張のぶつかり合いもある。居酒屋でも演劇の話以外はしないというくらい。本当に没頭している。

●役者さんのキャラクターへの理解について
(編集長から「下手すると先生よりキャラクターのことを深く考えているのでは?」と言われて)
それは認めたくない。書いている自分が一番理解していると思っている(笑)。一方で、そのキャラクターを生きてる人、そのキャラクターだけを見ている人の視点から「これってこういうことですか?」と聞かれて、ああそうかと、気づかされたことはある。

●舞台を経て、印象が変わった役
ハンドウさん(笑)
基本的に変わった人はいない。
私の印象にぴたりと寄せてきてくださったので。
挿絵になかった東雲次郎は、こういう感じだったんだ、とか。鉄二はこんなに可愛いんだと思った。

●舞台が先生の創作に影響与えたこと
キャラクターの肉付け。
普段は見て書かないんだけど、役者さんたちのブロマイド、せっかくあるから、見た目の描写とかは見ながら細かく書いた。

●マサについて
(役者さんが通称)「みやびさん」と呼ばれている方で、名前を付けてほしいと言われ、マサに。居酒屋で決まった。
マサとナッツによって、夜叉衆フィナーレ(「散華行ブルース」の赤い特典小冊子)でも登場するが、本編の最初ではなく、本編の最後に繋がる、また別の環結ができた。
あの二人は、景虎でも高耶でもない、加瀬を記憶している。加瀬が生きていたこと(いたこと?)覚えている、あの二人は加瀬からもらった贈りものを自分の人生に生かしている。そしてマサは加瀬がなりたかったバーテンの道へと進んだ。ナッツだけではだめだった。マサとナッツの二人が必要だった。

●美奈虎様について
景虎の美奈子に換生した後のシーン。美奈虎様バージョンを衣装付き通し稽古の時に見た(本番では富田さんがやった部分を、稽古の時は、演出を模索するため、小野川さんが演じたことがあった)。
見た感想の一番は「かわいい〜!」「加瀬さんこんなにかわいくなっちゃんたんだ」だった。
直江は二つの意味でショックだったと思う。一つは美奈子に換生させてしまったこと、もう一つはその可愛さ。この景虎様見たら思わずプロポーズしちゃうかも。そしたら話変わっちゃう…。
もちろんそれが、本番は富田さんが演じることになった理由じゃないですけど。
欅坂のような可愛さだった。

●高坂について
昭和編ではめちゃくしゃ動いていた高坂。本編の高坂はそれほど動いていない件について。
宿体が変わると動きにくいこともある。
加瀬も美奈子の体では戦いづらかった思う。美奈子って意外と体力あったんだな、この子、鍛えてたんだなと思った。


後半戦は、原作である小説の話へ。

と、ここでみんなが真剣に聞き入って、配られたミルクティーに手を付けないので、皆さん飲んでください、とお声掛けが。
「私が開ければいいのか」と先生も缶を開けられる。
おもむろに全員で乾杯。ミルクティーだけど。

●2017年12月末に小説が環結した後、どう過ごされていたか
3カ月ぐらいお休みもらった。旅行にもいきたかったけど、力が残ってなくて。家の近くでできることないかと思って、近所のジムに入ったら、ボクシングができる環境があって。やってみたらはまった。今なら朽木のイーグル朽木時代のボクシングシーン書ける。

(編集長から「先生、どこ目指しているんですか?闘う作家?格闘家デビュー?」という突っ込み)

体重は6キロ、体脂肪率5%減った。
ほんとは沖縄行きたかった。

(編集長から「ちょこちょこは行かれていましたよね?」という問いかけに)

仕事がらみの取材とかでちょこちょこは。
米沢に行ったのは舞台の成功祈願で上杉神社へ行って、お払いとお札をもらってくるためだった。毎年行っている(ミラステの舞台のために行かれているかどうかは不明)。

●6月のミラステの撮影に一部同行された件について
新潟に行ったのは、2004年の本編完結の際に行って以来……あ、違う行きました。バスツアーでもあのときは上れなかったので。
だからちゃんとあそこに行ったのは14年ぶり。始まりの場所である鮫ケ尾城に立って、そこで初めてようやく(炎の蜃気楼が)終わったんだなと実感した。

新潟もそうだったけど、どこに行っても地元の方が優しい。親切にしてくださる。
それはファンの皆さんが、地元の方とよい交流をされているからだと思う。
地元の方がミラージュのファンの人たち、いいなと思うと、それがそのファンの人たちが好きなミラージュもいいものなんだって思ってくださってるんだと思う。ファンの皆さんのおかげ。

●信長が本編でロック歌手になることについて
朽木(信長)がマリーとのことがあって、本編でロック歌手になるって思うときゅんとくる。
SEEVAのライブの最後に、毎回マリーを思って、You are my destinyを歌っているかもしれない。

●邂逅編、幕末編、昭和編、本編と書きあげる中で、変わっていった登場人物
全編を通して一番変わったのは色部さん。

本編ではあまり描かれなかった。
死に対して何もできなかった人が、医者という職業につくことで、生死に関わるようになった。
「がめ医者」での神崎とのやりとりにしろ、それを書けたのは良かった。

●飲み会で愚痴を聞きたい人
色部さん。
「散華行ブルース」の終わった後の時期の色部さん。阿蘇どうだった?とか。

編集長「でも、色部さんは愚痴、言わなそうじゃないですか?」
先生「べろんべろんに酔わせれば」
編集長「笠原(尚紀)さんは?」
先生「いや、いいです(笑)」

●一番苦労したエピソード
最後の3巻、紅蓮坂ブルース、涅槃月ブルース、散華行ブルースが苦しかった(手元にある本を手に取りながら)。
直江のあのシーン、なんで書いちゃったんだろうと思った。涅槃月であのシーンを書いて、肩に背負っていた重荷の3分の2くらいはおりた。
20代の自分から与えらえた試練だった。
今だったら、こういうシーン(ストーリー?)をここまで書ききれないかもしれない。だから、涅槃月であのシーンを書くことで成長できた。20代の自分に感謝したい。

●女性キャラクターとしての美奈子について
(編集長から「本編では美奈子のように、女性で初生人でここまで物語に深くかかわるキャラクターはいなかったと思う。晴家ももともとは男だったし」という問いかけに対して)
美奈子の女性性によって、あの二人の男性性が際立つことになった。
やっぱり男なんだなって。

●その他の創作秘話

キャラクターの中にも、話すキャラクターと話さないキャラクターがいる。
加瀬は圧倒的に話さない。
高耶は独白とかあって、すらすら書けたけれど、加瀬はそれさえもない。
加瀬はまったく進まなくて大変だった。

本編で「聖母」という漠然としたイメージである美奈子を、昭和編で本編との整合性をとりつつ、どうやって生きている人として描くかが課題だった。
本編でああいうポジションで、嫌われてもいたから。
編集長が「昭和編の最後では、彼女を嫌う人はもういなかったのでは?」と皆さんに問いかけ、頷く参加者。

昭和編と本編との整合性の点では、ずっと本編を見ながら突き合わせて、書きそびれたものはないな?と確認しながら書いていた。

朝四時半とかに責了して、そのまま二時間くらい電話で担当のIさんとミラージュの話をしたりしてた。Iさんがずっと同じ熱さでいてくれた。


質問のターン。
これまでの話のなかでも、おそらく事前に回収したアンケートで書いた質問を組み込んでくださっていたようだが、改めてこの場で聞きたいことがあれば、と編集長から皆さんへ問いかけが。一部、事前のアンケートからの質問も取り上げられた。

●景虎と直江は、昭和編より前に、互いに持っている恋情を自覚していたのか?
他の誰かにそれは「恋情だ」と言われれば自覚したかもしれない。
二人は恋情は持ってたかもしれないけど、互いにそう思っちゃいけないと思っていたと思う。

●高坂と夜叉衆との出会いはいつから?
実は邂逅編で書きそびれた。それが心残りで、残念。
景虎が子供、六郎太になったあたりで関わらせるつもりだった。
それまでは(初生の高坂自身が)存命だったはずだから。
書く前に邂逅編終わっちゃった。

●ジェイムス・D・ハンドウのDは何の略?
先生、特に決めていなかったご様子。
(編集長が「ハンドウ」は日本名ですよね?二世とか。ミドルネームで、クリスチャンネームの可能性も、と)
先生、だいすけ?だいごろう?「他、何があります?」と皆さんへ問いかけされる。
参加者から、ダニエル、デイビットなどが出て、最終的にはデイビットに決定。

●夜叉衆の活動資金はどうしているのか?
織田は会社ちゃんとやってる。
(編集長が「織田は信長の覚醒後、急成長して政界に関わるまでになりましたね」と)
給料がちゃんとあるのって色部さんだけ。
宮路もカリスマ的なカメラマンだったら、稼ぐかもしれないけど…。
そうすると軒猿?
軒猿の皆さん優秀だから。商社とかやってるかもしれない。株とか。八海とかが。

先生、極めつけに「……ヒモ?」と、ぼそっと(笑)

本編のほうは、高校生と大学生と…本編のほうがやばい。
でもバブル期だったから、そこで一気に稼いだのかも。

カリスマ性といいつつ、加瀬さんが一番稼げない。
(能力云々というより?)表に出ちゃいけないという思いが強くあるから。

●本編で、直江が景虎と再会したとき、どうして石を投げたのか
石ぶつけたのは、本当に景虎が覚えてないのかなって試す意味で投げつけた(投げる仕草付)
先生「え?他の解釈あります?」
編集長「記憶あるか試す意味だと思っていた人?」と参加者へ問い、半数以上が挙手。「ではそれが以外の解釈だった人」でも少ないが手が上がる。

●謙信はどうして景虎が高耶に換生したことを、他の夜叉衆に伝えなかったのか
報連相ができない。
謙信も冥界でいろいろあったのかも。
そういうところが上杉軍なんです。

●今回のミラステでも、海外のファンの方が来られていた。海外へ向けた今後の展開はありうるか?
版権に関わる話なので、編集長が回答。

韓国語では途中まで出ていたが、途中で途切れている。
お話をいただくことはあった。
今、翻訳本は電子書籍での配信とセットでご提案いただくことが多い。
オファーを頂ければ、前向きに検討する。

先生「アニメは北米版でも出ていましたね。直江の口から英語で「KAGETORA(英語のイントネーション)」って言うのがすごかった」


その他のメッセージ。

一回全部忘れて読み直したい。10年後とかに、まずは本編から。また次の10年後には邂逅編から。

思い入れのある環結刊を、素晴らしい形で舞台にしていただいた。
演劇が好きなので、自分の作品を5作も舞台に乗せてもらえて、そして最後が最高傑作だと思えるものになったのが幸せ。

長い期間、書いてきて、書ききったと思えるまで書けて幸せだと思う。
(『炎の蜃気楼』は)永久機関になったので、死ぬまで読んでください。
そして、私の作家人生ももうしばらくはあると思うので、応援してください。
ありがとうございました。


以上。

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posted by アヤ at 23:25| レポート

2017年01月22日

ミラステ3 10月26日トークショー備忘録

ミラステ3の期間中に、なぜか一日だけ書き留めていた備忘録が出てきたのでアップ(あともう一日は力尽きた模様)。
家に帰ってきて、ばーっと書き出したものなので、時系列がぐちゃぐちゃなのと、正確な言葉ではないので、ニュアンスでくみ取ってもらえたらと思います。書き出しただけじゃなく、ちょいちょい私のコメントも入るので、ご了承ください。

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椅子の並びは、左から、社長、ケイン、マリー、直江、加瀬、宮路、朽木、蘭姫、李

「伸司さんは体調不良でトークショーは急遽欠席」と富田さんが説明。
お歳なので、と冗談を言うと、水谷さんが「俺の方が歳だよ」と突っ込み入る。

林さんは李の格好で登場。
昨日、ハンドウで出てきて微妙な空気になったので、今日は李にしてみたとのこと。
「片言でしゃべってみて」と富田さんに無茶ぶりされ、ちょっとやる林さん。真面目か。

実は林さん、李さんの裏設定を考えていた。
「その話、長いですか?」といつもの富田さんの突っ込み。
それでも話したい林さん。

劉蘭姫が男と日本から駆け落ちで上海にやっていたときに、知り合ったのが李さん。
李さんは二人から日本語を教えてもらっていた。
だから、蘭姫のもとに届いた指輪が男の指輪だと気づいたのだ、という話。

「どうですか」と何故か藤本さんに振ると、藤本さんは「いや、座長が止めてるのに話続けるんだって思った」と笑いながら、林さんの設定じゃなくて、林さんの姿勢にコメント。


今回初登場の安藤さんと才川さんへの質問。
ミラステに参加してみてどうですか、という林さんの質問に、まずは安藤さんから。

李さんの姿で話しかけられ、安藤さんは、役でやりとりがあるから、何か変な感じ、と。

安藤さんは、ミラステの出演メンバーの複数人と共演経験があり、実は前回のミラステにも観に行った。
それが今度は観ている側からやる側になったと。
「観ている人がこっち側になるなら、今いるお客さん、全員出演しているよ」と観客席を指しながら富田さん。

安藤さんは基本緊張しないタイプらしく、本番前にミラステは空気すごいから、と言われていたけど、
そうは言っても舞台始まってしまえば、大丈夫だろうと思っていた。
でも、実際に幕が開いたら、初日は出番の間中、ずっと手足が震えていた。
ピンヒールだったから、かかとがカタカタ鳴っていて、バランス崩して転びそうだった。

安藤さんの手が長くて、話している間、すぐ隣のまっすんさんに何度もぶつかりそうになり、
そのたびに謝って、結局まっすんさんは藤本さん側にパイプ椅子をずらした。

「座長は、初日からずっと幕の間からワルツの間、観ててくれている」と安藤さん。
照れ隠しなのか「実はマネキンに革ジャン着せて立たせてる」と富田さん。


林さんが「翔君は、自分の稽古が終わって、他の人の稽古に移って、帰ってもいいのに帰らずにずっと見ていって、ここをああしたほうがいいよとかアドバイスするんだよね」
富田さん「主役だからね」
みんな、おお〜ってなる。拍手。

才川さんは、ミラステの話がきたときとても嬉しかった。
ミラージュには、デスティニーを感じていると、こぶしを胸に当てる才川さん。
ちょっとミラージュから離れちゃうんですけど、と断ってから、
「ケイン小杉さんの大ファンなんです。なので、今回の役で自分が『ケイン』。そして、その相手が」
と佃井さんを指示して「小杉(マリー)! デスティニー」と大変テンションが高い。
「才川君、天然だよね」と周りから突っ込みが。かわいい。

隣に座る水谷さんが、陸幕のときに着替えを才川さんが手伝っているとのこと。
「早着替えっていっても、そんなに急ぎでもないんだけども、彼が一旦着てから渡してくるの」と。
「だって8分しかないんですよ」と才川さん(衣装をなぜ一回着てから水谷さんに渡す理由にはなっていない)
「いや、8分もあったら十分でしょう」と突っ込みが入る。
「楽屋で隣同士だから、ずっと話の相手をしてくれるんだよ」という社長は父性愛に満ち溢れていて素敵。
ちなみに才川さんは21歳とのこと。
ケインがすごく大人に見えていたので、びっくり。


「何かアクシデントとかありましたか」と林さん。
富田さんが「稽古中とかはあったけど、本番始まってから大きなことはないよね」と。周りの人もうんうん。
その中でマリーちゃんが「ある!」と一声。
なんでも、加瀬さんの作った失敗作のカクテルを飲むシーンで、富田さんがいたずらで、黙ってりんご酢の原液を入れて飲ませたらしい。
マリー「本当に喉が焼けるかと思った!」
富田さん「いや、もっとリアリティがあったほうがいいと思って。でも想像以上にきいて、その辺に転がってすごい呻いてたよね。すごい笑えた」と笑顔。


「好きなセリフは?」と林さんに聞かれて…

藤本さん「嫌気がさした、のところかな。その時夜叉衆の顔を思い浮かべてる。いろいろ考えさせられるセリフだから」
荒牧さん「そんなに飲むと、酔ってしまいますよ」
林さん「翔君は?」
富田さん「オレ?そうだなあ」
荒牧さん「喰らえよ、ですよね」
富田さん「オレがいつそのセリフ好きって言ったwもちろん全部のセリフ好きだけど」
マリーちゃん「尚紀の高坂弾正のところ」
富田さん「今回出てない人物だし、知らないひともいるはずなのに、あれだけウケるのすごいよね」


マリーちゃんのラプソディで使っている鬘が、実は高坂のもの。
元々用意されていた鬘があったんだけども、大きくてサイズが合わず、そしたらこれもありますよ、と差し出されたのが高坂のかつら。それをアレンジして今回使った(短くしたのかな?)

ちなみに…と林さんが実は「李のかつらも」とたぶさを握って見せると、観客がざわざわざわざわ…
その反応に「言わないでおきましょう」と富田さんとアイコンタクトをする林さん。
明言されなかったけど、第一弾の景虎様のかつらなんだと思われる。


今回、マサが椅子をガタンとさせて、社長の「港」のセリフがないから、やりましょうと富田さんが提案。
水谷さんもそれに乗って立ち上がり、「じゃあよろしく」と翔さんに加瀬さんを依頼。

(寸劇が始まる)
富虎さま「社長どちらへ」
社長「(バッと裾を払う)…よ」
ここで富田さんが足で自分の座っていたパイプいすを蹴り倒し、結局、本番中と同じようにセリフを中断され、
社長「バッキャロウ!」で締め。

ちなみに富田さんが蹴り倒す足をあげたと同時に、まっきーも椅子を倒すき満々で手を伸ばしていた。事前相談もなしで、突っ込みどころをわかってて、富田さんの薫陶なのだろうか。


レガーロの細かいシーンは台本になくて、社長とマサとまっすんさんで決めている。
マサはもうレガーロのシーンには欠かせない、とまっすんさん。


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以上、備忘録でした。
尻切れ感はんぱない…すみません。

posted by アヤ at 13:02| レポート

2015年02月08日

「アウディ・ノス」ツアレポ

今年1月、年明け早々の長崎市に行ってきました。
「アウディ・ノス」の舞台を巡る旅です。

昭和編を読み進める中で、改めて本編や番外編を読み返すと、以前とはまた違った風景が見えてくるようになりました。
正月に長崎の古くからのミラ友に会えることになり、どこに行きたいか聞かれ、迷わず「アウディ・ノス」と答えました。昭和編と本編のちょうど間にある物語で、すごく好きな話でもあり、一度その風景を見たいと思ったからです。

ツアーで見たもの、感じたものを拙いながらもまとめてみました。
良かったらご覧ください。
※2015年1月COMIC CITY大阪で配布したペーパーの再録+加筆になります。


直江が辿った道程

長崎空港
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唐人屋敷跡近くの柳瀬家
 |
大浦天主堂
 |
浦上天主堂
 |
西坂公園


2015年1月午前十時頃、年明けてすぐのJR長崎駅に到着。そこで長崎在住のミラ友さんが待っていてくれました。

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私は出身が九州なので、長崎市には何度か訪れたことがありました。

龍踊りで有名な「長崎くんち」を見に行ったこともありますし、市内の古いお寺をめぐったり、大浦天主堂に行ったり、中華街に行ったり。仕事で出張に来たこともありました。ただ、行ったのがミラージュに出会う前のことで記憶が曖昧だったり、仕事だったり、親と同行するのでなかなかミラスポには行けなかったり。
なので、ミラージュツアーとしては今回が初めての長崎でした。


二十四歳の直江が長崎に行った時には、飛行機を利用しており、長崎空港に着いたという記述があります。
長崎空港から、柳瀬家から近いとされる唐人屋敷跡までは、車で40分ほどかかります。空港からタクシーで行くには少し遠い距離なので(そのあたりは気にせずぽんと払ってそうでもありますが)、空港から長崎新地ターミナルあたりまでは高速バスに乗り、それから歩いて行った可能性もあるなと考えています。



■柳瀬家

まずは近くの駐車場に車を停めて、歩いて唐人屋敷跡へ。唐人屋敷跡は、江戸時代に長崎以外での貿易を禁止した際に、中国の人たちを収容する場所として作られたところです。現在は土神堂、福建会館、観音堂、天后堂の四堂のみが修復改築されて残っています。四堂以外は、細い道の両サイドにびっしり民家が建ち並んでいました。

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唐人屋敷跡の碑

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土神堂の門。異国の匂いがします

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門の中はこんな感じ。こじんまり

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天后堂。門の前に猫さんいるのわかりますか?

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別のお堂で出会った神様。湯呑みが「おじいちゃん」になっててウケました


ちなみに、長崎のおじさんは観光客にとってもなつっこい人が多いようです。ミラ友とお堂を見ていたら、何度か「どこから来しゃったと?」と近所の人に聞かれました。皆さん、ラフでフレンドリーで親切!

さて、最初の訪問先、柳瀬家があるという「館内町の山手側、坂を少しのぼったところ」に向かいます。

で、早速、原作を読んでいて難問にぶつかりました。「山手ってどっちだ」ということです。通常、山手というと土地が高くなっている所を指しますが、長崎は坂で有名な街。地形がぼこぼこしています。館内町に着い見回しても、土地が高くなっている方向は複数あります。もちろん地図に「こっちが山手」なんて書いてありません。

しかし、そこは地元出身のミラ友さん。この辺りに住む人が言う「山手」の方へ案内してくれました!(館内町から見て十人町の方向が山手だそうです)

後ろからくっついて行って道を歩くと、坂というか階段だらけ、さらに道がすごくせまくて軽自動車が本当にぎりぎり通れるくらい。実際に、向こうから車が来たので、よけようと思ったら道幅がなさすぎて、百パーセントよそ様の家の敷地内に待避しなければなりませんでした。地元の人らしき親子もそうやってよけていたので、この辺りの方は慣れっこなのでしょう。軽自動車を運転されていた方も道幅すれすれのところをすいすい、プロ!って感じでした。

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坂だけではなく、階段もたくさん

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緩やかに曲がった細い道に、階段、静かな町。絵になる風景がたくさんあって、歩いていてほっと息がつけるような、そんなところでした。


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唐人屋敷跡からすぐのお店で「笹クレープ」を購入。
笹の爽やかな香りが、意外にもクレープと相性抜群でした。



■大浦天主堂

唐人屋敷跡を出て、今度は大浦天主堂に向かいます。坂を下り「オランダ通り」を通って行きました。天主堂が近づくにしたがって、さっきまで中国色が強かったのに、どんどん街の雰囲気が「洋」になっていくのが面白かったです。

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オランダ通り


ほどなくして、大浦天主堂に着きました。観光バスもたくさん止まっており、緩やかにうねる坂を上がって行く途中にはお土産屋さんが立ち並び、とてもにぎやかです。かなり観光地化しているんだなと驚きました(寺や神社のちょっとした門前町みたいな感じでしょうか)。

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大浦天主堂の階段下

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階段を上り切ったところ。入口の白いマリア様の像がとても美しかったです

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そしてなぜかある、不思議な狸と兎のベンチw


階段を上り、堂内に足を踏み入れると、ステンドグラスの光がわっと目に飛び込んできました。外はあんなににぎやかだったのに、また、祭壇では自動音声で天主堂に関する説明も流れているのに、不思議とうるさくなくて、心地よい空間でした。
(※堂内は撮影禁止でした)

正面の祭壇の近くまで寄り、キリストの像のステンドグラスに圧倒され、次にその右手にあるマリア像の前に立ちました。

事前に写真で見た時には、色がきつい印象でしたが、実際はかなり印象が違いました。さまざまな色が使われていながら優しい色合いで、私はキリスト教の信仰心はないけれど、なぜかずっと見ていたくなるような、そんな像でした。この像の前で直江が思いを馳せていたのだと思うと、余計に心に深く感じるものがありました。

さて、大浦天主堂を後にしようとした直江を追いかけてきて、階段の下から呼びかけてきたのは、柳瀬家の孫娘・里穂でした。

ここで里穂が「スクーターで追っかけてきたんです」と言います。何気ない台詞なので、あまり深く考えていなかったのですが、突然はっ!と思いいたりました。館内町の家々にスクーターがそれぞれ何台も止めてあったことに!

道が狭く、急な坂が多い長崎では、住む地域によって自転車がほとんど使えなかったり、大きな車で通るのが難しかったりするので、スクーターや小型の車が多い区域があります(地域によっては自転車を普通に乗るところもあるそうです)。
館内町がまさしくそうでした。だから里穂がスクーターで駆けつけてくるというのは、すごくリアルなんです。

なんて細かい!先生すごい!と興奮してしまいました。



■浦上天主堂

次の目的地は浦上天主堂です。大浦天主堂から車に乗り、長崎駅をはさんで反対側へ向かいます。近くに適当な駐車場が少なく、やや離れたところに車を停めて歩きました。

最初に見えたのは、小さな川の傍にあるレンガ造りの何かと木が半分土に埋もれたようなものでした。
かなりの大きさです。なんだろうと思って見てみると、傍にあった看板に原爆によって吹き飛ばされた、旧天主堂の鐘楼の一部と書かれていました。当時のまま、遺しているものだとミラ友さんが教えてくれました。

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人が何人かかっても持ち上げられないだろう大きさ、しかも天主堂からそれなりに距離はあります。原爆がどれほどの破壊力を持っていたのか、天主堂の左側、静かに、しかし表現しがたい重みがそこにあるのを感じました。

通りから向かうと、大きなUの字を描くように急な坂が伸び、その上がりきったところに浦上天主堂は建っています。

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坂を見上げたところ

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坂を上がり切ったところで、見下ろしたところ


天主堂にたどり着く少し手前の所に、本文の中にも記述がある被爆した天使の像が並んでいました。
頭部がないもの、体や頭の一部が欠損しているもの、そして熱線に焼かれ、黒く色を変えていました。

焼けただれた天使達の目線の向こう、振り返ると長崎の街が見えました。夏のあの日から今日までの七十年間、この街を見下ろしてきた。彼らは何も言わないけれど、もの言わぬ彼らに残る傷みを前に私はただ何も言葉が浮かばず、突っ立っていることしかできませんでした。

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浦上天主堂は原爆で全壊し、現在建っているものは立て替えられたもので、昭和34年に完成し、昭和55年に改修工事が行われたため、新しくきれい、という印象です。
一応、元の天主堂に模して再建されたらしいのですが、近くの看板にあった旧天主堂の外観写真を見ると、現在のものと見比べて以前の建物の方がかなり手の込んだ造りであったことが伺えます。

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浦上天主堂(※堂内は撮影禁止でした)


同じ天主堂でも、大浦と浦上で全くその場の空気が違うと入る前から既に感じました。
大浦のように観光地化しておらず、周りに店はほとんどありません。そして中に入ると堂内の後ろ部分しか、一般の観光客は入る事ができませんでした(信者の方は入れるそうです)。行事が行われている時には、中に入る事もできないと聞いたの で、入れたのはラッキーだったと思います。

天主堂の中、後方から、広い堂内を見回しました。
係の人が2人いる以外は、信者の方はいらっしゃらず、がらんとしてうす暗く、窓から光が差し込んでいました。
観光に訪れる人だれもが声を発しないせいか、音楽がないせいか、理由は自分でもよく分からないのですが、漠然と「祈りが強く生きている場なんだ」と、そんな感じがしました。

大浦でも信仰は感じましたが、浦上では、厚みというか重みというか密度というか、とにかく何かが圧倒的に違う。
ミラ友さんが浦上天主堂を訪れる前に「マリア観音が大浦ではなく、浦上で昇華した理由がわかる気がする」と言っていたのですが、浦上天主堂に入って、その言葉が腑に落ちました。



■西坂公園

最後に訪れたのは、西坂公園。二十六殉教地です。西坂公園の駐車場に車を停め、上がろうとすると白い幕が。なんと公園の整備中ということでかなりの部分が入れないようになっていました(一月末には工事は完了するようです)。

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西坂公園の入口

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二十六殉教地のレリーフ


時刻は15時半頃。冬なので既に少しずつ西日が差していました。実際、直江が長崎を訪れたのは夏で蜩が鳴く頃、赤い夕日の記述もあるので、17時半〜19時くらいではないかと思います(九州の夏の日の入りは、遅いときで19時半くらい)。

公園の少し高くなったところから見ると、海が建物の隙間から見えました。ミラ友さん曰く「いつのまにかマ
ンションが建ってる!? 橋も出来たし、見づらくなちゃった」とのこと。以前は西坂公園の端、ベンチがある辺りから、長崎の海がよく見えたそうです。

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「アウディ・ノス」の初出が1994年。今からもう20年も前です。景色が刻々と変わっていくのは当たり前のことですが、やっぱりちょっと寂しいなと思ってしまいました。

直江が臨んだ稲佐山も見えました(NHKの建物に隠れがちですが)。
「――あなたのそばにいく……」と景虎に語りかけた直江。このときの直江が思い描いていた景虎の姿は、どの肉体のときのものだったのでしょう。推論にすぎませんが、大浦天主堂のマリア像を見て、景虎と美奈子をイメージしていることから、おそらく昭和編に登場する加瀬賢三の姿だった可能性が一番高いような気がしています。

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公園から稲佐山を臨む

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公園に建つ碑


昭和編を経たことで、初めて「アウディ・ノス」を読んだ時とはまた違うイメージが湧いてくるようになりました。
もちろん最終巻を経て、自分も年を重ねていった結果でもあると思います。
その地に訪れなければ、分からなかった、実感できなかっただろうことがいくつもありました。また、小説の時期に合わせて夏に訪れたいと思います。夏の長崎は、また違う発見があるにちがいありません。

最後に、年明けの寒い中、車を出していただき、素晴らしい道案内をしてくださった二人のミラ友さんに、敬意と感謝を申し上げます。


おまけ

長崎は猫が多い街。
たくさんの猫さんたちに出会いました(猫もフレンドリー)

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館内町にて。け、気高い!

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唐人屋敷跡のお堂で会った猫さん(お堂の中にも普通に猫が出入りする)

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浦上天主堂の近くで会った猫さん

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サービス旺盛すぎます

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西坂公園で出会った猫さん集団

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こちらも西坂公園で
posted by アヤ at 01:59| レポート

2015年02月07日

ミラステ レポート

2014年9月に行われた舞台版「炎の蜃気楼 夜啼鳥ブルース」の観劇レポートをアップします。
このレポは、10月のSPARKの際に配布したもので、その再録+加筆になります。

もうすぐDVDが発売ですね。楽しみです!

この記事は舞台版「炎の蜃気楼 昭和編」の観劇レポートです。ネタばれにご注意ください

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2014年9月に行われた「炎の蜃気楼 昭和編 舞台版」の感想、レポートになります。興奮しすぎて記憶があいまいなところもあるので、順番とか台詞とか違うところも多いと思います。そのあたり差し引いてお読みいただければ幸いです。


「炎の蜃気楼」本編完結から10年。まさか舞台版を見られるとは思っていませんでした。
ものすごく正直な話、本編が完結して少しずつ確実に人が減っていくのを見てきていたので、昭和編の開始と同様に、原作で動きがあるというだけで本当にありがたい気持ちでした(ミラージュを読みたい、感じたいという欲求と同じくらい、私にとってはミラージュで人と繋がっていることが重要なので)。

なので、すごく乱暴な言い方ですが、芝居の出来がどうかは気にしていませんでした。
もちろん、いいに越したことはないですが、やっていただけるだけありがたい。
ミラージュの世界観というか、「換生」という概念をどうやって説明するんだろう、難しいだろうな、ということは思っていましたが、単純に楽しみでした。

なので、舞台版で自分にわっと襲いかかってきた感動は、想定外という他ありません。
私が見たのは、9月22日夜と23日の2回。初日の幕が上がって以降、多くの方がご存じのとおり大反響でTwitterでもその熱を感じていました。

冒頭からびっくりするよ、という前情報があり、カッコいい演出とかかな?と思っていたら、まさかの邂逅編からのスタート。景虎様の切腹のシーンでの無念、初めての換生のとまどいがガツンと来ました。

冒頭シーンの締めは、直江の「景虎様、とお呼びいたしまする」。ゆっくりとはっきりと、しかし感情はこもっていない直江の言葉、そして目をつむり空を仰ぐ景虎様。「ああ、ここから彼らの戦いの物語が始まったのだ」と改めて夜叉衆の運命の重さを感じました。

暗転し、プロジェクションマッピングに浮かぶ「炎の蜃気楼」。キャラクターの名前とともに役者さんが昭和編の衣装で登場されるシーンは、各キャラクターの特徴がわかりやすく、しかもそれぞれのポーズが超かっこいい。

中でも、ぐっときたのがプロジェクションマッピングで換生以降、昭和までの元号が次々に表示されるところ。400年、とミラージュの中で繰り返し出てくる歳月で私も理解していたつもりだったのですが、改めてこんなに長い間、さまざまな時代の中で夜叉衆は生きてきたのだという重さがずっしりきて、もう涙が出そうに…(早)。

舞台の本編が始まってからの分は、以下、登場人物ごとにまとめました。


加瀬賢三
一言で表すなら、色気。レガ―ロのシーンで尚紀と二人きりになると、すっと眼鏡を外す加瀬さん。眼鏡を外しただけなのに、まとう雰囲気がいきなりあやうげな感じになって、ぞわわわわってしました。煙草を持つ手もエロス。やばい。アクションシーンも見ごたえあり、靖国神社のシーンで満身創痍の加瀬さんが力を振り絞って戦う姿に手に汗を握りました(実際に、私が見たのが最後の2回だったので、富田さん自身も相当ボロボロになっておられたのではないかと)。大人の余裕、その中に見え隠れする揺らぎを見て、高耶さんとは確実に違う“加瀬さん”を肌で感じました。あと、朽木への応対などを見て、やっぱり男の人にもてるな、そりゃそうだなって思いました(女も惚れるけども!)。

笠原尚紀
直江、なのに若い。昭和編原作でも感じる不思議なアンバランスさが荒牧さん演じる直江からも感じました。20歳をいくつか過ぎたばかりにしては大人びた仕草、酒の飲み方、しかしどこかやはり若者。美奈子の前で声を上げて笑うシーンはどきりとしました。そのときは何で驚いたのか分からなかったけれど、多分、原作 本編の橘義明がそうやって笑うイメージがなかったからなのではと。義明ではない、尚紀ということはこういうことなのだなと思いました。で、例の壁ドンシーンはどうなるのかと思っていたら、ある意味壁ドンより激しい椅子ドン。直江の激情にどきどきしました。

小杉マリー
マリーさんはもう登場から、ぎゃあああかわいいいいい!ってなってましたが、ほんっとに可愛すぎてもだえました。ヒールを脱ぎながら「どいてなさい、しんちゃん!」ってやるシーンがカッコ可愛くてすごい好きです。そしてその後のストッキングの下り。付き合ってないのに長年付き合っている風の加瀬さんとマリーちゃんのやりとりが原作でもすごく好きだったので、脚本に入れてくださって本当にありがとうございましたああああ!と心の中で叫んでいました。あと「私はしんちゃんといると楽しいんだよ!」のシーン。朽木じゃなくても、落ちる。落ちた(私が)。晴家の女子力の高さに完全にやられました。

佐々木由紀雄
色部さん、背が高い!! 2巻のイラストそのまんま過ぎでした。加瀬さんに「煙草は辞めたんだろうな」とにじりよるのがカッコいい。そして言われて静かに目を逸らす加瀬さん…。手洗い行って戻ってきて景虎様&直 江がふっと離れるのを見ての「そうかい、そうかい」がもう包容力。色部さんというと年嵩のイメージがあったので、こういう若い色部さんて新鮮でした。

坂口靖雄
勢い良くお辞儀しすぎて帽子が飛ぶとかテンプレすぎるのに、それがすっごい合ってる! 鱗を持ってレガ―ロへ行き、マリーさんに楽屋へ連れて行かれるときに、あたふたして「ぎゃあああ! 笠原先輩!」 って叫んでんのがかわゆくて、客席から笑い声が。なごむ。しかし彼は眼鏡外すとかなりの美青年と見ました。坂口愛が増しました!

執行社長
おじさん好きにはたまらん、もともと好きなキャラクターだったのですが、加瀬さんや朽木とのやりとりの中ににじみ出る包容力。そして原作になかったなぜかマティーニ押し設定や女のところへ行くときの「港」発言に、一気フォーリンラブ。舞台の次回作はぜひ2巻を! そしたら社長がいっぱい出てくる!

朽木慎二
技術的なことを言うと、セリフ回しがとてもきれいな役者さんだなと思いました。加瀬さんを慕っている感じとかもよかったけど、マリーちゃんが絡んだときの面白さ&可愛さといったら! さらに、加瀬&マリーのやりとりを見ての「見てねえよ!」がね、指先でつきつきしたくなる、構いたくなるキャラでした。


千秋楽、私は幸運にも最前列中央の席で観ることができました。実は最前列というのは少し不安があって。というのは、舞台用の芝居というのは広い空間で観た時にちょうどよくなるタイプのものなので、 近くで観ると荒が見えてきてしまうことが多く、ちょっと離れて見るくらいがいいなと実は思っていたのです。

ところが、始まってみるとそんな考えは吹き飛びました。一番近いときには役者さんまでの距離2mもないくらい、そんな距離なのに本当に演技が繊細で。表情一つ一つもすごくリアルでした。

レガ―ロのシーンで、メインでしゃべる人以外は、脇でしゃべっている風なのは手ぶり身ぶりだけだと思っていたのですが、実際は小声でしゃべっていました。はっきりは聞こえないのですが、ところどころ聞きとれた感じからすると、ちゃんとそのシーンにあったもの。脚本かアドリブかはわかりませんが、2列目でもう聞こえないかもしれない部分まで気を配られている、とうところに驚きました。

また、レガ―ロにいる朽木にかつての戦友が訪ねてくるシーン。男がバタリと倒れる時にも、役者さんが白目をぐるりと剥いてから倒れたり、倒れたあとの苦悶の表情もリアルで。演出の素晴らしさ、役者さんの演技力に本当に感動しまし た。テレビ画面でもっともっと近づいてよく観たい!とさえ思いました。


2時間ノンストップの舞台、怒号のような展開に一瞬たりとも目が離せず、気づいたら終わっていました。幕が下りて、役者さんが挨拶にもう一度出てきたときも、もはや原作のキャラクターと役者さんを同一視するくらい見た目のシンクロ率が高く、リアリティがあったので、どこまでが現実で非現実かがあいまいになる、そんな感じがしました。

千秋楽、舞台あいさつで富田さんが自身の声の状態が悪かったことについて述べられました。台詞量が多く、難易度の高い役で、まして座長である舞台で、ベストコンディションでなかったことにどれほど悔しい想いをされたことだろうと思います。私も初めて見た時に、あれ?と思いましたが、でも、そんなことが全く気にならなかったのは、全身全霊で上杉景虎、加瀬賢三を演じておられたからだと思いました。涙の膜で、瞳がきらきら輝いていたのが印象的でした。

そして千秋楽は桑原先生のお誕生日。何かあるかなと思っていましたが、みんなでハッピーバースデー を歌えたのが嬉しかったです。先生に直接、しかもたくさんの人とお祝いをする機会ってそうそうないので、貴重な体験をさせていただきました。

そしてそして、なんといってもオールスタンディングオべ―ション

私も10年ほど前までは幼少時から1〜2カ月に1回は芝居を見に行っていたりしていたのですが、バレエ、オペラなど西洋系で元々スタオべの習慣があるものは別にして、現代劇でスタオべは、私はおそらく初めての経験でした。スタオべはお客さんのたった一人の満足では成立しない奇跡、まして派手な感情表現が苦手な日本で、さらに現代劇で、それが起こったというのはすごいことだと思います。

さらにそこで終わらないのがミラジェンヌ。ふと気づくと前方の列の皆さんが後ろの方が見えるようにとしゃがんでいらっしゃるではありませんか! 私も慌ててしゃがみ、最前列だったのでほぼ正座に。後方列に気を使ったスタオべって、なんかおもしろいと思っていたら、舞台の上で役者さんも慌て&笑い。「え、え、立ってください」と動揺する富田さんの横で、マリー役の佃井さ んと荒牧さんがめっちゃ笑顔!

そしてその隙に「景虎様に平伏するチャンス!」とか言って平伏していた私のサイドの友人たち(笑)どんな状況下でもチャンスを無駄にしない先輩ミラジェンヌである友人たちを見て、私もミラジェンヌとしてまだまだだなあと猛省。会場内の皆さんの笑顔と万感の思いを込めた拍手で幕が下りました。


今回の舞台では、役者さんはもちろんのこと、原作を生かした上で舞台ならではの魅力を加味した脚本(是非、脚本もグッズで販売していただきたいと強く希望)、舞台装置、ライティング、衣裳、音楽(特にオープニングの音楽がカッコよかった! サントラがほしい)、細かいところまで気を配られた演出などなど、本当にすごい!!の一言につきました。

再演はもちろん次回作を本当に本当に願っています。まずは来年2月に届く予定のDVDを楽しみに!!!(Twitterとからめて同時再生会とかやりたいなと妄想中です)ここまでとレポートを読んでいただき、ありがとうございました!
posted by アヤ at 00:00| レポート